ダッシュボードの作り方 ~基礎知識・失敗しないための教訓を紹介~

ダッシュボート作り方のイメージ図です。

「まだExcelやGoogleスプレッドシートでデータ管理しているの!?」
こんなことを言われてことはありませんか?
ExcelやGoogleスプレッドシートを代表として表計算ツールは非常に便利で、業務で最も使うことが多いと言っても過言ではありません。
一方でExcelやGoogleスプレッドシートでのデータ管理に不満を抱える人も多いのではないでしょうか。
「管理が煩雑、データ更新が面倒、見づらい、重たい(遅い)、扱いづらい」などなど、挙げたらきりがありませんね。
そんな方に向けて、ExcelやGoogleスプレッドシートでの管理を脱して効率良くデータ管理・データ活用する方法の一つとして「ダッシュボード」をご紹介します。
実は、すでにダッシュボードを導入して効率良くデータ管理・データ活用している企業は多いのです。
この記事を読んで、今日から業務効率化していきましょう!

ダッシュボードとは

ダッシュボードは、主な機能として、状況可視化・管理・分析を行うことができ、企業が抱える多種多様なデータを視覚的に整理し、リアルタイムで状況を把握できるツールです。経営者やマネージャー、ビジネスパーソンにとって、ダッシュボードは「現状の見える化」を実現する重要な武器となります。例えば、売上や在庫の状況、人事データ、顧客満足度などを一元管理し、迅速な意思決定を支援します。
以下はダッシュボートを用いて現状の見えるかを行った事例です。
カスタマイズ可能で、欲しいデータを簡単に確認できるようになります。

ダッシュボードによる可視化の例です。


実際、様々部門で幅広い用途で活用が進んでいます。
以下は代表的な部門とその部門でダッシュボートで可視化している利用データ、ダッシュボート構築により解決する課題と機能例を整理した表になります。

代表的な部門とその部門でダッシュボートで可視化している利用データ、ダッシュボート構築により解決する課題と機能例を整理した表

特に今日のビジネス環境では、膨大なデータの中から適切な情報を素早く取り出すことが競争力の鍵です。他社との競争で優位に立つために、ビジネスパーソンは、特に経営者・事業責任者・マーケター・webサイト運営者といった方々はダッシュボードの基本的な概念と、その活用方法を理解しておく必要があります

より詳しく知りたい方はbizdataに相談いただくことも可能です。

ダッシュボードがもたらすメリット

ダッシュボードを導入によりデータの整形~レポート作成までを自動化することができます
面倒なデータ集計作業から解放され業務効率化が進みます
その結果、「示唆導出/施策立案」などのコア業務へ集中することが可能となり生産性が向上します。

ダッシュボート導入前後の違い

ダッシュボート導入以前であれば、ExcelやGoogleスプレッドシートでのデータ更新を手作業で行っていて、担当者のミスが発生する。
データ更新や加工といった単純作業に労力がとられる
その結果効果的な改善案を考える、新しい施策の立案といった「示唆出し」や実行にリソースを割けないといった課題が発生します。
あなたの会社、現在の業務で同じような状況は起こっていませんか、、?

しかし、ダッシュボートを導入すれば、「データ集計」・「データ加工」といった作業を自動化することができ、一気に業務効率化できるのです。
ダッシュボート導入によりデータ可視化を行う際には、「BIツール」を用いるのが一般的です。
以下に詳しい内容を整理しているので詳しく知りたい方はご一読ください。

ダッシュボードの作り方

では実際にダッシュボートを作りたい、導入したいと思った方はどうすればいいのか、ここからダッシュボートの作り方を説明していきます!

KPIダッシュボードの導入ステップ

目的設計/要件定義~ダッシュボード構築まで、ダッシュボート導入(データ活用・可視化における一連の流れ)は以下のようになります。
以下の5つのステップと各項目について、解説します。

目的設計/要件定義~ダッシュボード構築まで、データ活用・可視化における一連の流れを示した図です。

① 目的設計/要件定義

ダッシュボード構築の成功には、まず「何を目指すのか」「何を解決したいのか」を明確にすることが重要です。
このステップでは、ダッシュボード構築の目的と必要な要件を整理します。

目的設計

ビジネス課題整理

企業が抱える問題を明確化し、それに基づくダッシュボードの必要性を洗い出します。
例:売上減少の原因特定や生産性向上のための指標可視化。

業務情報整理

業務プロセスを把握し、どの情報がKPIに影響を与えるかを整理します。
例:営業プロセス、在庫管理、顧客満足度調査のデータフローをマッピング。

KGI、KPIの整理

最終的な目標(KGI)と、その達成度を測る指標(KPI)を定義します。

要件定義

要件定義書

必要な機能、データソース、ダッシュボードの利用者、更新頻度を明文化します。
例:データ更新はリアルタイム、ユーザーは営業部門と経営層。

プロジェクト計画書

スケジュール、リソース配分、チーム体制を策定し、プロジェクトの進行を計画します。

目的設計/要件定義のイメージ図

② ダッシュボード設計

このステップでは、要件に基づいて具体的なダッシュボードの構造や見た目を設計します。

分析設計

要件詳細定義書

要件定義書を基に、ダッシュボードに必要な詳細仕様をまとめます。
例:表示する指標、グラフの種類、フィルタリング機能の内容など。

データ調査

必要なデータがすべて揃っているか、不足データを補う方法を検討します。

デザイン

視覚的にわかりやすい構成を検討します。色使いやレイアウトを明確化します。

ワイヤーフレーム作成

ダッシュボードの構造を紙やデジタルツールでスケッチし、全体像を共有します。

モックアップ作成

ワイヤーフレームを基に、実際に近い状態のデザインを試作。関係者と確認します。

ダッシュボード設計のイメージ図

③ データマート設計&実装

データを統合・整理し、ダッシュボードで活用できる状態にするプロセスです。
データマートとは、特定の業務や部門向けに最適化された小規模なデータベースのことです。
データウェアハウス(DWH)が全社的なデータを統合するのに対し、データマートは特定の目的(例:営業、マーケティング、財務)に特化して設計されています。

データマート設計

テーブル設計

ダッシュボードで使用するデータを整理し、必要なテーブル構造を設計します。

E-R図作成

データ間の関係性を視覚化することで、データモデルを明確にします。

データマート実装

API連携

外部システムやデータベースから必要な情報を取得する仕組みを構築します。

パイプライン構築

データを収集・加工・保存する流れを自動化するプロセスを設定します。

前処理

不要なデータの削除や形式の統一を行い、分析に適した状態に整えます。

少し専門的な言葉を用いると、バックエンドシステムでは、データレイク・データウェアハウス・データマートの3層構造でデータを保管、それぞれの間ではデータパイプラインを構築しデータを連携することが一般的です。

データマート構築のイメージ図です。

④ ダッシュボード構築

設計に基づき、実際にダッシュボードを作成します。

実構築

関数/指標名の作成

データから必要な指標を算出するための計算式を設定します。
例:売上=単価×販売数。

チャートの作成

KPIごとに適切なグラフやチャートを選び、視覚的に情報を整理します。

フィルターの配置

地域や期間など、ユーザーが必要な情報を絞り込めるフィルターを設置します。

動作確認

全体の動作をチェックし、不具合やデータの齟齬を修正します。

ダッシュボード構築のイメージ図です。

⑤ 運用

構築したダッシュボードを日常業務で活用し、改善を続けます。

運用

運用モニタリング

ダッシュボードが正しく動作しているか、定期的にチェックします。
例:データ更新が遅れていないか、不具合が発生していないかの確認。

改善案の提案&実行

利用者のフィードバックを基に、使い勝手や機能の改善を実施します。

整合性確認サポート

新たなデータソースが追加された際、既存のデータと整合性を保つためのサポートを行います。

自走支援

導入説明会自走支援

利用者がダッシュボードを効率的に活用できるよう、説明会やトレーニングを実施します。

分析手法レクチャー

社員が自分でダッシュボードをカスタマイズしたり、分析したりできるように教育します。

ダッシュボードの構築には、段階ごとに明確な目的と手順が必要です。
これらのステップを順序立てて実施することで、ビジネス課題を解決し、組織の意思決定を強力に支援するツールを構築できます。
ダッシュボード構築に関連して、専門用語がたくさん出てきました。
上述したデータマートやデータウェアハウス(DWH)といった専門用語、特にデータ分析基盤についてまとめた記事も作成しているので、
詳しく知りたい方は以下のリンクからご覧ください。

ダッシュボート導入コスト

次にダッシュボート導入にかかる費用を説明します。
ここまで説明したようにダッシュボートはビジネスにおいて非常に有用ですが、
ダッシュボート構築の際に費用発生する場合があります。

ダッシュボード構築にかかる費用は、様々な要素によって変動します。

ダッシュボート構築イメージ図です。

費用に影響する主な要素

ツールの選択

Looker Studioなど、初期費用がかからず無料で利用できるツールも存在しますが、機能やカスタマイズの自由度が制限される場合があります。TableauPower BIなど、高機能なツールは有料ですが、高度な分析やカスタマイズが可能です。有料ツールは月額または年額のサブスクリプション費用がかかります。機能やユーザー数によって費用は異なります。

データ量と複雑さ

データ量が多いほど、処理に時間がかかり、費用も高くなる傾向があります。
データの構造が複雑な場合も、データクレンジングや加工に時間がかかり、費用が増える可能性があります。

機能の要件

ダッシュボードに求める機能によって費用は変わります。
単純なグラフ表示だけでなく、リアルタイム更新、予測分析、インタラクティブな機能など、高度な機能を求める場合は費用が高くなります。

外部委託の有無

自社で開発する場合と、外部の専門業者に依頼する場合では、費用が大きく異なります。
外部委託の場合は、人件費や開発費に加えて、コンサルティング費用などが発生します。

保守・運用費用

ダッシュボート構築後も、データの更新やシステムのメンテナンスが必要になります。
これらの費用も考慮する必要があります。

費用の目安

無料ツール

初期費用はかかりませんが、機能が限定的なため、大規模なダッシュボードには不向きな場合があります。

データ量と複雑さ

データ量が多いほど、処理に時間がかかり、費用も高くなる傾向があります。
データの構造が複雑な場合も、データクレンジングや加工に時間がかかり、費用が増える可能性があります。

機能の要件

ダッシュボードに求める機能によって費用は変わります。
単純なグラフ表示だけでなく、リアルタイム更新、予測分析、インタラクティブな機能など、高度な機能を求める場合は費用が高くなります。

ダッシュボード構築にかかる費用は、データ規模や複雑さ、使用するツールなど、様々な要素によって異なります。費用を抑えたい場合は、まずは無料ツールで試してみる、必要な機能を明確にする、自社でできる部分は自社で行うなど、様々な工夫をすることが重要です。

より詳しく知りたい、誰かに相談したい方は、我々bizdataにご相談ください。

ダッシュボード導入の失敗例

ダッシュボード導入のイメージ図です。

ダッシュボード導入は、ビジネスの効率化や意思決定の質向上に繋がる一方で、適切に進めないと期待した効果が得られない場合があります。
以下が代表的な失敗例です。

  • 目的が不明確: 目的が曖昧なため、ダッシュボードが活用されない。
  • データが不正確: データの誤りにより、誤った判断をしてしまう。
  • デザインが複雑: 情報が多すぎて、何が重要かわからない。
  • ユーザーが使いこなせない: 操作が難しいため、利用者が少ない。

これらの失敗を引き起こさず、成功させるためには、慎重な計画と実行が求められます。
目的を明確にし、適切なツールを選び、データの準備、デザイン設計、ユーザー教育、そして定期的なレビューと改善を繰り返すことで、ダッシュボードを最大限に活用することができます。

特にツール選定については以下の記事に詳しい内容を整理しているので詳しく知りたい方はご一読ください。

ダッシュボード導入事例の紹介

ここまでダッシュボードの基礎知識から導入方法・コスト、導入メリットや失敗例について説明してきました。
最後に、ダッシュボードの導入事例を3つ紹介します。

1. IT企業:開発プロジェクトの進捗管理

事例:Aソフトウェア株式会社

  • 課題:複数のプロジェクトを同時進行しており、進捗状況の管理が煩雑。リソースの過不足が頻発し、納期遅延が増加していた。
  • 導入したダッシュボード
    • タスク完了率や工数消化率をリアルタイムで表示。
    • メンバーごとのタスク負荷や稼働状況をグラフ化。
  • 成果
    • 各プロジェクトの進捗を瞬時に把握可能となり、遅延リスクが発生した際には早期にリソース再配分を実施。
    • 納期遵守率が80%から95%に向上。
    • 会議での報告時間が30%削減され、開発に集中できる時間が増加。

2. EC企業:売上・在庫管理の最適化

事例:Bショップ株式会社(ECサイト運営)

  • 課題:在庫が過剰または不足することが頻発し、売上機会の損失や保管コストが増加していた。さらに、広告キャンペーンの効果を把握できていなかった。
  • 導入したダッシュボード
    • 商品別の売上状況をリアルタイムで表示。
    • 在庫回転率や欠品率をモニタリング。
    • 広告キャンペーンのクリック率やコンバージョン率を一元管理。
  • 成果
    • 売上データに基づき、在庫補充のタイミングを最適化。欠品率が30%減少し、在庫保管コストが15%削減。
    • 広告効果の高い商品に予算を集中させ、キャンペーンROI(投資収益率)が25%向上。
    • 月次レポート作成にかかる時間が半減し、迅速な意思決定が可能に。

3. 広告代理店:広告パフォーマンスのモニタリング

事例:Cアドバタイジング株式会社

  • 課題:クライアントごとに管理している広告キャンペーンのデータが複数のプラットフォーム(Google Ads、Facebook Adsなど)に分散しており、成果を統一的に把握できなかった。
  • 導入したダッシュボード
    • 各プラットフォームからの広告データをAPI連携で収集し、一元管理。
    • 広告パフォーマンス(クリック率、コンバージョン数、ROASなど)をリアルタイムで表示。
    • クライアントごとにカスタマイズされたレポートを自動生成。
  • 成果
    • 広告パフォーマンスの低いキャンペーンを早期に発見し、ターゲティングを修正。クライアントの満足度が向上し、リピート契約率が20%増加。
    • レポート作成にかかる工数が80%削減され、アカウントマネージャーが戦略提案に集中できる時間を確保。
    • 全体の広告効果が15%向上し、クライアントのROIが大幅に改善。


これらの事例に共通するのは、データの可視化により業務効率化や迅速な意思決定が実現されたことです。
貴社の業務においても、同様の成功を目指してダッシュボードの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

最後に

ダッシュボードによる業務効率化イメージ画像。

さて、ここまでダッシュボードについて具体的説明してきましたがいかがでしょうか。
ダッシュボードは、企業の意思決定を支える不可欠なツールで今後、競争力を維持するためにも、個人のビジネススキルを高めるために必須のツールです。
そろそろExcelやGoogleスプレッドシートの煩雑な業務とはお別れして、生産性を飛躍的に向上させていきましょう!
この記事を参考に、あなたのビジネスを次のステージへ進める一助となれば幸いです。

我々bizdataは精一杯ご支援させていただきますのでいつでもご相談ください。

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