BIツールとは?機能やメリット・デメリットを徹底解説!
近年、データを活用した経営判断が重要視される中で、多くの企業が「BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)」を導入しています。
BIツールをまだ知らないという方は今は珍しいと言っても過言ではありません。
競争力を維持・向上させるために必須のツールですので、本記事を通してインプットしていきましょう。

BIツールとは何か?具体的に何ができるのか?どのツールを選べばいいのか? といった疑問に対して
本記事では、BIツールの基本概念からメリット・デメリット、主要な機能、導入事例、ツール比較まで詳しく解説します。
目次
BIとは
BI(ビジネスインテリジェンス)とは、企業が蓄積したデータを収集・統合し、可視化・分析することで、意思決定を支援する仕組みや技術を指します。
BIの主な目的は、データに基づいた迅速かつ正確な経営判断を可能にすることです。
BIという言葉は、近年データ活用が進むにつれて多用されるようになりました。
ビジネスにおけるBIの役割
ビジネスにおいて、BIの役割は以下の4つに大別されます。
1.データの統合と整理
BIは、ERP、CRM、Excel、クラウドサービスなど、企業内外のさまざまなデータを統合し、一元管理
2. データの可視化
BIツールを活用することで、売上やコスト、顧客動向などのデータをグラフやダッシュボードで直感的に確認可能
3. 業務の効率化
手作業で行っていたデータ集計やレポート作成を自動化し、業務の効率化を実現
4. 戦略的な意思決定の支援
データ分析により、売上予測や市場動向の把握が可能になり、経営の意思決定をサポート
BIは、企業の競争力向上に不可欠なツールであり、データドリブンな経営を実現するための重要な役割を果たします。
ここでは概要レベルで記載しましたがここから深掘りしていきます。
BIツールでできることとは?Excelとの比較
BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)は、BIを用いるためシステムのことで、企業のデータを収集・可視化・分析し、迅速な意思決定をサポートするツールです。
ビジネスにおいて非常に重要である現状把握や分析・課題の洗い出しを瞬時に行えることが強みです。
従来はExcelや手作業のデータ管理が主流でしたが、BIツールを導入することで、データ処理の効率化・精度向上・リアルタイム分析が可能になります。
以下、従来のツールの代表格であるExcelと比較しながら、BIツールでできることを解説します。

1. データの自動収集と統合
■BIツールの特徴
〇 CRM、ERP、Excel、Google Analyticsなど、複数のデータソースと連携し、一元管理できる
〇 データを自動更新し、常に最新情報を取得可能
■Excelの課題
× データの手入力や手動での更新が必要で、ミスが発生しやすい
× 複数のデータを統合するのが難しく、部門ごとにバラバラで管理されがち
2. データの可視化とダッシュボードの作成
■BIツールの特徴
〇 グラフやチャート、ヒートマップなど、直感的なデータ可視化が可能
〇 インタラクティブなダッシュボードを作成し、データのフィルタリングやドリルダウン分析ができる
■Excelの課題
× ピボットテーブルやグラフ作成には手作業が必要で、更新のたびに手間がかかる
× データが静的で、リアルタイムの更新ができない
3. リアルタイム分析と異常値検出
■BIツールの特徴
〇 データの変動をリアルタイムで監視し、異常値を即座に検出可能
〇 売上の急激な変化やコストの異常増加を自動でアラート通知
■Excelの課題
× 手作業でデータを更新するため、分析が遅れる
× 異常値の検出は関数や手動チェックに依存し、見落としのリスクがある
4. レポートの自動生成と共有
■BIツールの特徴
〇 事前に設定した条件でレポートを自動作成し、定期的にチームや経営層へ配信
〇 クラウド上でリアルタイム共有が可能で、部門間の連携がスムーズ
■Excelの課題
× レポートを毎回手作業で作成する必要があり、時間がかかる
× 最新データを共有するのが困難で、古いデータに基づく意思決定が行われることがある
5. AI・機械学習を活用した予測分析
■BIツールの特徴
〇 過去のデータをもとに、売上予測や市場動向の分析が可能
〇 AIを活用した高度なデータ分析を簡単に実施できる
■Excelの課題
× 予測分析には高度な関数やマクロが必要で、専門知識が求められる
× データが増えると処理が重くなり、分析に時間がかかる
まとめ:BIツールの導入で業務効率とデータ活用の精度が向上
項目 | BIツール | Excelなどの従来手法 |
---|---|---|
データの収集 | 自動更新、複数ソース統合 | 手入力、バラバラな管理 |
データ可視化 | ダッシュボード、リアルタイム更新 | 静的なグラフ、手作業で更新 |
リアルタイム分析 | 即時反映、異常値検出 | 手作業のチェック、遅延あり |
レポート作成 | 自動生成・配信 | 手作業で作成 |
予測分析 | AI活用、売上・市場予測 | 高度な関数・マクロが必要 |
BIツールを導入することで、データ活用のスピードと精度が向上し、企業の意思決定が強化されます。
データを有効に活用し、競争力を高めるために、BIツールの導入を検討してはどうでしょうか。
検討するためにも次の内容でBIツールのメリットやデメリットについても紹介していきます。
より詳しい情報を知りたい方はお気軽にbizdataにご相談ください。
BIツールの注意点を徹底解説
BIツールは、導入により業務の効率化やデータドリブンな経営が可能になりますが、一方でコストや運用面での課題も存在します。
ここでは、BIツールのメリットとデメリットを詳しく解説します。

BIツールのメリット
まずはメリットから説明していきます。
具体的なメリットに入る前に、BIツールの導入の本質的な価値について説明します。
ビジネスにおける問題解決の考え方は多数ありますが、一般的には以下の4ステップで考えることができます。
①課題分析 理想と現状の差分を定量的に特定
②問題特定 差分の発生個所の特定
③真因特定 原因を深掘りして真因を探る
④解決策立案 解決策の立案と評価
この4ステップのうち、①課題分析・②問題特定のスピードアップを図れることが、BIツール導入の本質価値となります。

BIツールは、設定した目標やウォッチしたい指標に対する進捗状況をグラフやチャートを使って表示します。
これにより、何が順調で何が改善を要するかが瞬時に分かります。
リアルタイムのデータを提供するため、経営者やチームリーダーは状況に応じた迅速な意思決定が可能になります。
そのため、BIツールを導入すると、分析~意思決定までのスピードを速めることができ、PDCAサイクルで言うと"C"の部分を大幅に時短できるのです。
ここからはより具体的にBIツールの導入メリットについて紹介していきます。
以下の5つのメリットが代表的です。
① データを可視化し、迅速な意思決定が可能
- ダッシュボードを活用し、売上・コスト・KPIなどのデータをリアルタイムで可視化
- Excelの手作業では難しいトレンド分析や異常値の検出が容易
■具体例
「先月の売上が急落した理由は?」→ BIツールのドリルダウン機能を使えば、地域・商品別の売上変化を即座に把握可能
② データ集計・レポート作成を自動化し、業務効率化
- データの取り込みからレポート作成まで自動化し、手作業を削減
- 最新データを即時反映し、Excelのような手入力のミスがなくなる
■具体例
導入前:営業部が毎月手作業でExcelレポートを作成(2日かかる)
導入後:BIツールでリアルタイム更新 → レポート作成時間がゼロに!
③ 多様なデータソースと連携し、一元管理が可能
- ERP、CRM、Google Analytics、Excel、クラウドDBなど、複数のデータソースを統合
- バラバラに管理されていた営業・財務・マーケティングデータを一元化
■具体例
売上データ(Salesforce)+Web広告データ(Google Ads)+在庫データ(ERP)をBIツールで統合し、ROI(投資対効果)のリアルタイム分析が可能に
④ AIや機械学習を活用した高度な分析が可能
- BIツールにはAI機能が搭載されており、過去データをもとに売上予測や異常検知が可能
- 統計知識がなくても、高度なデータ分析が簡単に実施できる
■具体例
「来月の売上はどうなる?」 → AI予測機能を活用し、自動でトレンドを算出
⑤ クラウド対応で、どこからでもアクセス可能
- クラウド型BIツールなら、PC・スマホ・タブレットからアクセス可能
- リモートワークや出張先でも、リアルタイムでデータを確認できる
■具体例
出張中の営業部長が、タブレットで売上データを確認し、即座に施策を決定
以上のようなメリットがある一方でBIツールにはデメリット(注意点)もあります。
ここからそのデメリットについても見ていきましょう。
BIツールのデメリット

① 導入コスト・運用コストがかかる
- 高機能なBIツールは初期導入費用+月額利用料が発生
- 大企業向けのBIツールは数百万円〜数千万円のコストがかかる場合も
■具体例
無料のLooker Studio(旧Google Data Studio)なら0円で導入可能だが、
TableauやPower BIのフル機能版は月額1万円以上
■対策
小規模企業は無料ツールを活用し、大企業はROI(投資対効果)を試算して導入判断
② データの整備・クレンジングが必要
- BIツールは、正確なデータがなければ意味がない
- データのフォーマットが統一されていないと、正しく集計・可視化ができない
■具体例
部門ごとに異なる形式のExcelデータを統合しようとすると、エラーが発生しやすい
■対策
BI導入前に、データの標準化(フォーマット統一)を行う
③ 社員のリテラシー(データ活用力)が求められる
- 高度なデータ分析には、データリテラシー(統計・SQL・BI操作スキル)が必要
- 部門ごとに適切なデータ活用トレーニングを実施しないと、使いこなせないまま終わる
■具体例
「BIツールを導入したが、現場で誰も使いこなせず、Excel管理に逆戻り…」
■対策
導入時にトレーニングを実施し、社内のデータ活用文化を醸成する
④ カスタマイズの難易度が高い場合がある
- 一部のBIツールはデータ処理・可視化のカスタマイズが難しい
- TableauやPower BIは強力な機能を持つが、SQLやDAXなどの知識が必要な場合も
■具体例
「Power BIを導入したが、ダッシュボード作成にはDAX関数が必要で、スキル不足で活用できない」
■対策
・ノーコードで使えるBIツールを選択する(例:Looker Studio、Domo)
・外部の専門家と協力し、カスタマイズをサポートしてもらう
まとめ:BIツールのメリット・デメリット一覧
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
データの可視化 | 直感的なダッシュボードで即座に分析可能 | データ整理が必要 |
業務効率化 | レポート作成やデータ更新の自動化 | 運用コストが発生 |
データ統合 | CRM・ERP・広告データなどを一元管理 | データフォーマットの標準化が必須 |
リアルタイム分析 | 異常値検出やAI予測が可能 | 導入に専門知識が必要 |
クラウド対応 | リモートワークでもリアルタイム確認 | セキュリティ対策が必要 |
- BIツールは、データをリアルタイムで可視化し、業務効率化や迅速な意思決定を可能にする強力なツール
- 一方で、コストやデータ整備の課題があるため、導入前に準備が必要
- 小規模企業は無料ツール(Looker Studio)、中堅〜大企業はPower BIやTableauが選択肢
結論、BIツールは「データを最大限活用する企業」に必須データを活用して競争力を高めたい企業にとっては必須と言えます。
デメリットに留意しながら導入を進めていければ大きな効果を得られるでしょう。
より詳しい情報を知りたい方はお気軽にbizdataにご相談ください。
BIツールの紹介
ここまで、BIツールの基礎知識・メリットやデメリットについて説明してきました。
最後に当社bizdataがおすすめするBIツールをご紹介します。
Tableau

「データ可視化ツールといえば"Tableau"」と言っても過言ではないほど、可視化ツールとしてメジャーなツールです。
可視化バリエーション、データ量・処理速度といったパフォーマンスの面に強みがあり、コストは高いですが、本格的にダッシュボードで分析や表現を行う方には最適なBIツールです。
Power BI

Power BIはTableauを追随し、Googleの検索数では世界トップのBIツールです。
可視化バリエーション、コスト、パフォーマンス、すべてにおいて高水準であり、オールラウンドなBIツールで、特にMicrosoft製品の扱いに慣れている方におすすめです。
Excelと相性が良い点がBIツールにデータ移行する際にポジティブに働くでしょう。
Looker Studio
Looker Studioはコストが低く、直観的な操作が可能で扱いが容易な点、Googleサービスとの親和性が強みのBIツールです。
無料版でも操作制限が少ないため、まずは簡単なツールから試してみたい方におすすめのツールです。

以下が上述の3つのBIツールを比較した表になります。

より詳しく比較した記事もございますので、興味のある方は以下よりご覧ください。
最後に
データ活用が当たり前になった今日でBIツールを用いていない企業は、客観的に見て他社から遅れをとっている可能性があります。
しかし、この記事を読んだ方は問題ありません。
BIツールについて、しっかり理解できたはずですので、ご自身のビジネスにぜひ役立てていただきたいです。
BIツールの導入や選定について、自社に合ったツールを選んでほしい等、ご要望がございましたらお気軽にbizdataにご相談ください。